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ゆうきつなげる
愛知県・豊橋と名古屋の朝市(ファーマーズマーケット)へ(4)

豊橋有機農業の会 会長インタビュー
「豊橋有機農業の会」の会長で、ご自身も有機循環農法を実践されている松沢政満さんに、朝市のルールや会員基準といった仕組みについてお伺いしました。

豊橋有機農業の会
1. 1984年(昭和59年)に隔週の朝市を始め、1987年(昭和62年)からは毎週行われていますが、そもそも朝市を開催するきっかけは何だったのですか?
私が就農して農作物ができた年に、それを出す場所を作ろうと思ったのがきっかけです。最初は4人くらいの有志で、消費者の会員さんのお庭を借りてスタートしました。朝市の前は宅配をやっていたんですが、就農当初は品目数が限られてきますので、宅配だけだとなかなか消費者の要望に応えきれない。だったら朝市形式でやってみようと考えたわけです。
朝市の写真
2. 農家さんにお話を聞いたところ新規の方も多いようでしたが、朝市を開催するのは新規就農者を応援する目的もあるんですか?
そうですね。ここへ来れば消費者に必ず会える。収穫量や品目数が少なくても、自分が愛情込めて育てたものをアピールできる。新規就農者にはそういう場が必要だと思っています。お客さんに一生懸命説明して、気に入ってもらえば「またこの農家さんのものが食べたい」とリピーターになってくださるケースも多いですからね。
3. この朝市に出店する農家さんには何か基準を設けておられますか?
基本的には農薬、化学肥料をまったく使わないということですね。有機JASでは「多年生の植物から収穫される農産物にあってはその最初の収穫前3年以上、それ以外の農産物にあっては種または植付け前2年以上の間、農産物の生産を行っていること(一部省略)」という基準があるんですけど、新規就農者にそれを言ったら大変なので、その農家さんの意気込みや気持ちで判断しています。「ただ売れればいい」という考えの人ではなくて、「有機農業という生き方を選んだ」という人に入ってもらいたい。そういう方は会って話をするとすぐわかるんです。話をしても考え方が伝わってこない場合には農園まで見に行きます。農園を見たら目指す方向がすぐわかりますからね。
4. この朝市で守らないといけないルールはありますか?
ここで売るものはすべて自分で作ったものだけ、ということになっています。ですから農作物がほとんど、加工品も農家さんが作ったものです。例外的にジュースなど、許可を取っている加工場で自分の作物を加工したものもあります。 それから、農家さんの再生産が可能な値段をつけること。安売りはしません。特にこれから子育てをする世代の農家さんが、私のようなぼちぼち年金世代と同じだと生活が厳しくなるので、若い農家さんもちゃんと生活できるような価格帯を守っています。 もう一つは、会員になった農家さんはできるだけ毎週出店することです。お客さんがせっかく来てくれても「あれ、○○さん今日いないの」ってなると悪いですしね。私もほとんど年中無休で、休みはお正月の三が日くらいなんです。
農作物の写真
5. この朝市の仕組みは他の地域でも活かされると思うのですが、松沢さんが意識して心がけてこられたことは何ですか?
有機農業のライフスタイルを自分たちのものだけにしておくのではなくて、社会化するという意識を常に持っています。自分だけでなく社会全体が良くなるようにという方向を目指していけば、おのずとやって良いことと悪いことの判断がつきますし、消費者との信頼関係もできてくると思うんですね。
6. 現在の朝市は、当初松沢さんがイメージしていた理想のかたちになっていますか?
比較的順調にいってるんじゃないかと思います。以前借りていた場所は屋根がなくて雨の日がつらかったのと、農家さんやお客さんが増えて手狭になったというのがありましたが、去年12月から屋根付きのスペースを借りられることになりました。このスーパー(フードオアシスアツミ)の社長さんは「信頼のおけるおいしい食べ物を皆さんに提供したい」という思いが強い方なので、私たちの活動へのご理解もあって非常にありがたく思っています。
7. 今後の展望や目標があればお聞かせください 。
今も講演会や勉強会を定期的に開いていますけど、単にモノの売り買いだけでなく、農家と食べる人がお互いに生活者として育っていける場にしていきたい。農産物のやりとりのなかで、その時々の社会問題や環境問題について共通の価値観があったほうが、より強い仲間意識が生まれるでしょう。そしてこうしたコミュニティが世の中の全部になっていけば、食の不安全だとか、エネルギー問題とか、環境問題なんかが解決されると思うんですけどね。