農家インタビュー
まさき農園/稲垣正貴さん
1. 有機農業を始められたきっかけは?
以前は東京で別の仕事をしていたんですが、家の事情で5年くらい前に実家へ戻ることになりまして。祖父の代から兼業農家で農地も少しあったものですから、跡を継ぐことにしたんです。ただ、今からスタートするなら他の農家さんと同じことをやってもかなわない。私はとことんおいしい作物にこだわろうと、有機農業を始めることにしました。土ができるまでに時間がかかるので、最初の1〜2年はろくに作物ができなかったですけどね。去年(2009年)あたりから、ようやく人に食べてもらえる作物が収穫できるようになりました。
無施肥無防除で野菜を、無施肥減農薬で米を栽培している稲垣さん。
2. 「えこファーマーズ朝市村」にはいつから出店されていますか?
去年の3月から出店しています。その前は地元の直売所に出していましたが、自分なりにいい作物ができたと思っていても、なかなか評価してもらえない。見栄えや値段だけで判断されちゃうんですね。それで自然食品のお店や会員制の宅配業者に卸していたんですけど、こういうふうに直接お客さんとやりとりできる場もほしかった。そこでファーマーズマーケットをいろいろ調べていたところ、知り合いから「こんな朝市があるよ」と教えてもらったんです。
3. 農家側から見た「えこファーマーズ朝市村」の魅力とは?
やっぱりお客さんからいろんな反応があるのは楽しいです。ここには皆さん特別なものを買いに来るんじゃなくて、自分が毎日食べるものを買いに来られます。常連さんが多いので、「こういう野菜を作ってよ」という要望をいただくこともありますね。それが対面販売の醍醐味じゃないでしょうか。週に1度はここに来て、消費者の需要を知ることが次の栽培に役立っています。田舎の直売所だと、たくさん入っていて安いものが売れるんですけど、ここは電車やバスで来られる方が多いので、小さいサイズのものが売れたり。むき出しよりも包装しているほうが匂いを気にせず持って帰ってもらえたり。“都市型の朝市”ということを考慮した売り方も工夫しています。
また朝市村に参加するようになって、同じ志を持つ仲間ができたこともうれしいですね。有機農家は地域のなかで点の存在になりがちですが、ここに来ると点ではなく線や面として存在していることが実感できる。仲間がいるっていうのはとても心強いことです。